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ブランディング

メロンの新ブランド確立と普及推進

クライアントの課題

クライアントは、すいかとメロンの品種改良や栽培、種苗の販売を行っています。

近年、メロンの作付面積は減少傾向にあり、栽培を辞める農家も急増していました。メロン市場の縮小化は、種苗を販売するクライアントにとっても深刻な問題です。何とかこの逆境を打開し、新たなビジネスチャンスをつかみたいと考えていました。

弊社からの提案と施策

まず、クライアントとのヒアリングをもとに、現状を招いている要因を整理しました。

  • 最大の販路である、食品スーパーの販売不振による価格の下落
  • 贈答用の高級メロンには一定の市場規模があるが、ブランド志向が強く、有名産地以外の新規参入は困難
  • 人気のカットメロンは低価格化が進み、生産者側の採算が合わない
  • 若年層を中心としたメロン離れ(理由は「高価なため身近でない」「味にくせがある」「多種多様な果物が出回っている」など)
  • メロンは栽培が難しいとされ、生産者が苦労して栽培するメリットを感じられない

いずれも一朝一夕で解決しうる問題ではなく、中長期的な生産体制・市場の改革、購買層へのPRが必要、との結論に至りました。
そこで弊社からご提案したのは「ホームページを活用した、新しいメロンのブランディング」です。

クライアントには、オリジナルのメロン品種がありました。見た目にやや難がありますが、有名ブランド品に負けない抜群の糖度と旨味を持つものです。これに、全く新しいネーミングを命名し、独自ブランドに決定しました。
また、そのメロンの特性や美味しさ、栽培へのこだわり、品種開発の経緯などを徹底紹介したホームページを作成。エンドユーザーの興味関心を引きつける狙いで、ポップでやや奇抜なサイトデザインを採用しました。

一方で、農産物の新ブランド定着には、生産・流通サイドの理解が不可欠と考えました。そこで、協力生産者による「メロン栽培ブログ」の開設、栽培方法を解説したガイダンス動画の作成、メロンのタネや苗のネット通販、生産者向けの栽培説明会を企画してウェブ上で参加者を募るなど、インターネットの特性を活かした、様々な生産者向けコンテンツをご提案しました。

成果

クライアントは弊社の考え方に非常に共感され、次々と提案を採用されました。
現在、ホームページは「メロン 栽培」の検索で常に上位にヒットするサイトに成長。PR効果も上々です。協力生産者によるブログでは、実際の栽培風景だけでなく、直売店でのメロン販売の様子なども紹介されています。
また、20本以上にのぼる解説動画は、難しいと言われるメロン栽培について、他では見られない丁寧で分かりやすい説明が評判で、全動画の合計再生回数は約14万回(2013年5月現在)、サイトへの集客にも大きく貢献しました。

このプロジェクトに共感し、メロン栽培を始める農家も各地に現れており、中には、地元飲食店とタイアップしてメロンを使ったデザートメニューを生み出すという、意欲的な生産者もあります。
現在も草の根的な活動が続いていますが、ブランディングの成果は着実に広がっています。

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