花の郷滝谷花しょうぶ園有限会社
2012年2月1日作成
魅力あふれる奈良の特産物を全国に。ネット通販「大仏本舗」は地域活性化の足がかり。
Partner Interview
常務取締役 日下志 拓也
1968年、奈良県宇陀市生まれ。高校卒業後、アメリカ・サウスダゴタ州の大学に留学し社会学・美術。考古学を専攻。広告代理店勤務を経て、2000年より父親の後を継いで同園の運営を行う。前職で培った企画力・営業ノウハウを活かして園の集客に尽力する。1男2女の父。
インターネット隆盛の時代、農家も無関心ではいけない
――「大仏本舗」で出品して頂いている、滝谷花しょうぶ園様の手作りブルーベリージャムやお餅が非常に好評です。
ありがとうございます。うちは花しょうぶの鑑賞園なんですが、シーズンオフに育てているブルーベリーなどで作った商品も、来園された方々にすごく喜ばれているんですよ。
でも、その商品をネットで販売するとなると未知の世界。僕らだけでは絶対無理やと思いますもん。花しょうぶ園のサイトに皆さんが来てくれるといっても、その中で商品を買うかといったら、なかなかね。そんな時に、大仏本舗の話を営業の方が持ってきてくれたんですが、ほんまに感謝しています。アイプリコムさんは、ちょこちょこ営業に来てくれはるのがうれしいですね。
うちは楽天市場(※)にも出店しているんですが、あまり数字が上がっていなくて、でも電話はよくかかってきて「こういう広告、出しませんか」とか言うんやけど、「たまには顔出せよ」って嫌味言いますねん(笑)。
それに、大仏本舗は月々3千9百円でしょ?広告宣伝費と思えば、新聞代と変わらないわけやから、そう考えたら安い。普通、店舗を持つのって大変ですやんか。テナント借りて、借地料払って、売上のなんぼ払って、となるから。
(※)楽天市場:1997年に開設した、日本最大級のインターネットショッピングモール。2011年の流通総額は1兆円を突破した。
――日下志さんはネット通販についてどうお考えですか?
インターネットというのは、これから私ら農業人も絶対知っておかねばならない世界やと思います。農家は土を耕して出来た物を直売で売るだけ、じゃなくてね。特に今は原発問題の影響で、西日本の農作物は非常に注目されている。報道されている以上に東北の農業は深刻な状態で、現地の農家さんは大変な思いをしてはります。ましてや海外に行くと、日本のものは全部一緒と思われているから。農家もこういう分野に関心を持っておかないと、今後どういう時代が来るか分からない。勉強しとかんと、あかんと思います。一方で、お互いに顔が見えないネット通販ならではの行き違いやトラブルを、私も色々経験していますし、ネット上では味とか食感とか、個人差のあることを何でも好きに書かれてしまう。そこはユーザーの良心に頼るしかないというのは怖い部分ですね。
――大仏本舗を始められて十一ヶ月、お感じのところをお聞かせください。
注文を頂くのは、やっぱりすごくうれしい。反響がある、誰かが見てくれているということがうれしいな。皆、わくわくしていますよ。
あと、僕は正直、「これでもか」と売り込むようなホームページは好きじゃないんです。大きな宣伝の写真がボンボンとあって、ずーっと下まで行かないと商品が買えないような。その点も、大仏本舗のサイトには満足しています。
大変なのは、ネット通販は売れる数が読めないこと。店頭売りの場合はだいたい分かるんですが。だから変わった商品を変わった時期に「欲しい」って言われると、動きにくい部分はあります。鏡餅が年明けてから売れた時は、「そんなもんないで」って(笑)お客さんの急ぎ具合もつかみにくい。これは仕方のないことですけどもね。
大仏本舗の「輪」を奈良に少しずつ広げていきたい
――今後の展開について、お考えは?
まずは当園のPRですね。大仏本舗にせよ楽天にせよ、お客さんにアクセスしてもらって、そこから滝谷花しょうぶ園があるのを知ってもらいたいな。その点では、いろんなエリアから見てもらえるインターネットはいいですね。あとは、やはり面白い商品を増やしていきたい。喜んで頂ける物、また次も買いたいなと思って頂ける物を。
それと、「奈良県農業法人協会」という奈良で頑張ってはる農家さんの組織があって、これは全国組織なんですが、先日その集まりで大仏本舗の話をしたら、「地元の特産品をネットで販売して地域活性化を」という趣旨に、とても良い反応を得られたんです。それで今、奈良県にある他の農業法人さんにも、ぜひ大仏本舗に参加してほしいとプッシュしているところです
でも、みんな土の方の世話が大変やから、良い商品はいっぱい持ってはるんやけど、まだそこまで行っていない。商品の写真を撮って、商品データや紹介文を作って、となるとなかなか難しいです。だから、うちがこれから成果を上げていかんと。「これだけ売れているよ」というのをアピールしていきたい。これからだと思います。まだまだ小さい輪やけど、これから楽しみです。
やっぱり、地域が良くなっていってほしいという想いがありますから。こういう取り組みを通じて、ゆくゆくは宇陀が、奈良がもっと魅力的になって、たくさんの方が観光に来て頂けるようにと願っています。
大仏本舗・滝谷花しょうぶ園ページの、ここに注目!
http://daibutsuhonpo.com/shop/takidani/
- 色鮮やかに群生する花しょうぶの写真が目を引く店舗ページ。大仏本舗では、出品者固有のページに商品一覧を設け、購入及び決済はAmazonのサイト内で行うようになっている。店舗ページ作成や商品データの登録はアイプリコムが代行。
- Amazonの商品購入ページ。ページ構成はシンプルながらユーザビリティに優れている。なお、ユーザーに商品の魅力を伝える商品画像は、1商品につき9枚まで登録可能。
- 大仏本舗のFacebookページ。人気アイテムやおすすめ商品の情報を定期的に配信し、ネットユーザーへの訴求をはかっている。Facebookページからの商品購入も可能。
花の郷滝谷花しょうぶ園有限会社 プロフィール
事業内容 | 花しょうぶ等の栽培 農産物・加工品の販売 |
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住所 | 奈良県宇陀市室生滝谷348 |
電話 | 0745-92-3187 |
代表取締役社長 | 日下志 欽子 |
設立 | 2000年12月 |
※本事例についての記載内容は、すべて作成日時点のものです。