有限会社魚万商店
2014年6月1日作成
「海のない奈良の地にさつま揚げ・魚万あり」熱い想いを秘めたネット通販への再挑戦。
Partner Interview
代表取締役 魚谷 和良
1959年奈良市生まれ。天理大学外国語学部卒業。京都の練物会社で5年間修業の後、魚万商店に就職。2009年より代表取締役。製造から販促・商品開発・ネットショップ運営まで、あらゆる業務に携わる。1999年に「バサラ祭り」を立ち上げるなど町おこし事業にも精力的。座右の銘は「一日一生」「行動こそが真実」。
“ネットで食べ物は、売れない”弱気な思いを変えたのは…
──まずはサイトリニューアルの経緯を。
実は、リニューアルは今回で3回目なんです。最初の時にネット通販をやってみましたが、結果は出ず。まあ当時は今ほどネットが普及していなかったし、私自身「食べ物をネットで、しかも味も分からない店で買う人がいるのか?」と考えていたくらいですから。でもインターネットの将来性は感じていたので、2回目は普通の店舗サイトを作って、年に3、4回更新していました。
その後、大仏本舗(※)に参加しましたが、これも成果は思わしくなく「アマゾンという巨大マーケットでも売れない、やっぱり難しいか…」と、自分の後ろ向きな疑問が確信に変わり、そして、この思いを払拭してくれる提案をしてきたホームページ会社は、今までありませんでした。
そんな折、アイプリコムさんのウェブ通販セミナーに参加したところ、「スマートフォンの登場で、今、ネット通販は劇的に変わってきている」という話をされました。それを聞いて私が、「うちみたいにネームバリューのない店が、しかも価格競争のできない商品をネットで売れるのか、商品の価値を伝えられるのか?」という不安について相談すると「写真の撮り方、言葉の表現。方法はいろいろありますよ」と後押ししてもらい、気持ちが前向きになっていきました。
──厳しいネット通販への再挑戦ですが、勝機はある、と?
今、「さつま揚げ」のネット検索上位は鹿児島のお店が並ぶのですが、この状況はうちにとってチャンスなんです。当店の揚げ天はすべて手作りで、一つひとつの商品が個性的で、食感も本場の物とは違って柔らかめ。同じ関西の老舗さんと戦うよりは勝負しやすいんです。有数の観光地という地域性、「海のない奈良で練り物」という意外性も、他にはない特徴ですね。それに、今やインターネットの利用者が、うちの顧客層である年配の方々にも広がっていますから。
魚万は創業以来この奈良の地で営業してきて、ほとんどのお客様は地元の方。ここ最近は、「ならまち」が観光地として注目されだして、観光客が店に寄ってくださることも増えました。ですがホームページのお客様は、そのどちらでもありません。中には、鹿児島とか仙台とか、練り物の本場に住む人もたくさんいます。そんな人たちに、ネットを通じて、もっと魚万のさつま揚げをお伝えしたいですね。
ネット通販のお客様が奈良へ来られるのが夢
──サイト制作を振り返って、心に残っていることは。
慌ただしかったねぇ(笑)サイトを作ったのが十二月上旬、年末商戦の真っただ中。お歳暮の準備時期だし、よりによってこのタイミングかと思いましたけど、その割には結構スムーズに制作が進められたので、良い予感はしていました。何でも、物事がスムーズに進む時って、良い結果が出るものです。
印象的だったのは、商品撮影の際に、カメラマンの方が「美味しそうやな〜」と言いながら撮っていたこと。撮ってる人が言うんだから、写真を見たお客さんにも伝わりますからね。そういうことって大事なんだと思います。写真に関しては、ベテランの職人さんを入れたり、商品の「手作り感」を出してもらえたのも嬉しい。職人の手作りが魚万の本領、商品だけでなく人も大事にしているという面が感じられるんじゃないでしょうか。
とにかく出来栄えには満足しています。シンプルですっきりした構成、色使いも文章も良い。やっと他の企業と戦える、人におすすめできるサイトになったという感じです。
──サイトを公開して半年、今後の抱負を。
長期戦覚悟で取り組まないとだめというのは承知しているので、これからが非常に大事だと思います。その点、アイプリコムさんには、毎月の打ち合わせで販促企画やサイト運営をサポートしてもらえて助かっています。「母の日ギフト」「父の日ギフト」も大成功でしたね。通販に「絶対儲かる」という方法はないでしょうから、手探りでも一緒に知恵を絞ってもらえるパートナーがいると心強い。今後も売上やアクセス解析結果を見ながら、次の打つ手を一緒に考えていきたいと思います。キャンペーンの提案、どんどんしてください。
それとやっぱり、お客様と顔を合わせていろんな話をしたり、お褒めの言葉を頂いたり、というリアルなお付き合いが商売の原点です。これがホームページをきっかけに実現できれば、喜びもひとしおでしょうね。魚万のサイトで初めてさつま揚げを買った方が、奈良を知り、奈良へ行ってみようと思われ、店にやって来て声をかけてくれる。そんなことが、今見えている夢というか、目標みたいなものです。
魚万商店ホームページ
トップページ。スライドショーで魚万の「手作りへのこだわり」を表現し、他店との違いを強調。デザインは老舗店としての気品や落ち着きを大切にした。かまぼこや佃煮も扱う同店だが、あえてターゲットを「さつま揚げ」に絞ったサイト構成としている。
「父の日ギフト」の特集ページ。一つの目的・商品に特化したページを作り、ネット広告などから直接アクセスさせることで、閲覧者の興味関心に直結する情報を速やかに見せ、購入へのアプローチを狙う「ランディングページ最適化(LPO)」の一つ。
商品紹介ページ。ネットショップ機能には、国内最大の利用店舗数を誇るASPサービス「カラーミーショップ」を採用。商品写真は全てプロカメラマンによるもので、フードコーディネーターの手を入れた商品も多数。
有限会社魚万商店 プロフィール
事業内容 | かまぼこ・さつまあげの製造販売 |
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住所 | (本店)奈良市餅飯殿町16 |
電話 | (本店)0742-22-3709 |
代表者 | 魚谷 和良 |
創業 | 明治34年 |
※本事例についての記載内容は、すべて作成日時点のものです。